そのツール、うまく活かされてる?
小島社長が語る、小さな工務店だからこそ必要な受注戦略と、運用の難しさ
■今回のクライアントさま
株式会社小島勝工務店(ホームページ)
代表:小島満夫様
■その他データ
〔制作ツール〕ホームページ・ホームページリニューアル・小冊子・名刺
〔職 種〕建築業(注文住宅がメイン・リフォーム・建築請負など)
〔所 在 地〕神奈川県厚木市
〔USP〕:人の心、樹の心、匠が支える集いの家
〔インタビュー日〕2011年7月1日(金)
〔インタビュアー〕:岡田、山口
☆担当者の制作こだわりポイント☆
・世代交代。満夫社長の想い「家を“つくる”楽しさ伝えたい」を伝えること
・小冊子・名刺、戦略に応じたツール制作
『販促ツールは、営業が自分一人という不利を克服するツール。でも・・・』
---ツールはつくっても使う場面まで想定できてないと、眠っちゃうんですよね。
用意してあるんだけど、全っ然使わないツールとか結構ありません?
「家は本来“買う”ものではなく“つくる”もの。お客様には家をつくる楽しさを伝えたい」
熱い想いを胸に、昔ながらの手刻み工法で家づくりを行う、小島勝工務店様(社員2人)。
お話を伺った小島社長は、現場が忙しく、見学会もイベントは中々出来ない中、
ホームページ・情報誌・小冊子・名刺・ブログ・SNSなどを活用し、
月2件の新規の問合わせを確保。年間3棟の新築受注目標も達成されています。ツタエル(岡田・大西)とは、実は創業前からのお付き合い。
ホームページに始まり、小冊子、名刺の制作と、フルサポートさせて頂いております。そんな小島社長に、受注戦略の大切さという真剣な話から、
「実際一人で情報誌出し続けるのはキツイっすよ」という本音まで、思いっきり語っていただきました。
小島勝工務店外観
ツタエル(東京都小金井市)から車で数時間・・・
ツタエル山口(以下、山)「着きました!」
ツタエル岡田(以下、岡)「こんにちは~」
小島社長(以下、小)「どうも、ご無沙汰してます。どうぞどうぞ」
岡「今日はインタビューよろしくお願いします」
小「あっ、今日はそういうインタビューだっけ?」
山「(そうって言ったのに~)そう!お話を伺いたくて来たんです。よろしくお願いします」
小「そっか、まぁよろしくお願いします。コーヒーでもどうぞ」
・・・少しいけば周りは田んぼや畑。
そんな住宅街の中ともあって、静かな和やかなムードでインタビューは始まりました。
最近の集客・受注状況はいかがですか?
小「いやぁ、不調ですねぇ。全然ダメです」
山「エッ!そうなんですか?以前伺った時は問い合わせも増えてきたとおっしゃていたので・・・」
小「そうですね。問い合わせも増えているし、リフォームの依頼も増えていますよ。ホームページからの問い合わせで毎月2件くらい。以前と比べたら増えてるね!」
山「え~~~。そ・・・それは、結構いい結果なのではないでしょうか?」
小「あっ、そう?」
山「はい。」
小「まぁ、確かにそうかも。でも、手放しでは喜べなくてやっぱり相見積もりの、かませみたいのだったりとか、値段が全然合わなかったり、下請けの仕事も利益とれなくなってきているのも事実ですよ」
社員2人を抱える大工職人社長が、ホームページを作ろうと思ったきっかけ
山「ホームページ(リニューアル)制作をはじめたきっかけを教えてください。
小「リニューアルは、会社を引き継いで、内容も変わった。変わったというか、変わらない部分ももちろんあるんだけど」
山「ご自身からの言葉で発信していこうと・・ですか?」
小「そうだね。」
山「その頃は、ホームページにどんな理想を思い描いていましたか?もしくは悩みとか。」
小「仕事はしていても利益が減ってきたってのもありますね。下請けの仕事はあるんだけど、元々の予算が少なかったりして。年々それが顕著になっているのはわかっていました。
お客さんも、変わってきたというか、“おたくだったらいくらで出来るの?”ってはじめっからそういうお客さんが多いんだよね。もちろん、それも一つのきっかけで、そういうお客さんでもいいんだけど、結局合わないんですよ。予算も、価格ありきというか。家を買うっていう感覚なんですよね。」
山「そういうお客さんはどうされているんですか?」
小「いやもう、別を案内しちゃうよ。そこに、格安の住宅の展示場ありますよ~って(笑)。ただ、ウチとしても、どうしたらいいんだろう・・・それでいいんだろうか・・・って。」
山「そこで岡田に相談を?」
小「そうです。自分の中ではまずホームページをしっかりしなければ、あと、OB施主をもっと大事にしてそこからの繋がりや、リピートで受注が取れないものかとは思っていたんですよ。でも、実際どう変えていったらいいんだろうかと悩んでいました。」
OB顧客への定期フォロー&情報誌発行について
山「なるほど、OB施主と思ったのは理由が?何か実感があったのですか?」
小「情報誌ですよね。なんだかんだ反応があって。そこは繋がっている実感がありますよ。」
山「へぇ~。情報誌の効果感じますか? ずっと発行されてますもんね。」
小「感じますね。特にOB客は感じますよ。実際そこから受注もあるし。たまに、お客さん(OB)のとこ行くと、ドバっと重ねてとっておいてくれている人もいるしね。袋から出してないんじゃないか?とも思うけど(笑)でも、見てるよって言ってくれる人もいるし、そういうのは嬉しいですよね。」
山「実際、受注もあるとなると、効果出てますね。」
小「そうですね。情報誌の意図はそういう部分もあります。」
山「と、いいますと?」
小「本当は、OB施主さんのお宅には毎月でも伺えればいいんだろうけど、こういう活動は一人でやっているから、難しいじゃないですか。でも、こうやって情報誌を見てもらいながら思い出してもらえるっていうか。で、顔を出してなくても何かあった時には必ず声をかけてもらえるようにって。」
山「なるほど。それにしても作業は一人!ですか。想像を絶するくらい大変そうですが・・・」
小「大変ですよ!書くのもそうですけど、コピーするだけでも大変ですし、それを袋詰めするのも大変。しかもやっと出しても、毎回反応があるわけじゃないですからね。わかっちゃいるけど、スグ反応がほしいじゃないですか。最初の3か月・4か月、全く何もなかったときは、もうたまらんかったですね(笑)。」
しんどいが、こうして続ける、情報誌。
山「そもそも、情報誌を始めたきっかけは?」
小「最初にホームページを作る時に岡田さんに勧められて。必要だからって。ほらあの階段。ホームページつくっただけではだめですよ。戦略をしっかりもってやらなきゃって。その話に納得して、やることにしたんです。」
山「でも、一人だとめげそうになりますよね。ここまで続けられたワケは?」
小「いやっ、結構めげていますよ(笑)」
山「えっ、そうなんですか?」
小「うん。でも、最近はそれもある意味続けるコツかなぁなんて思っているんですよ。」
山「どういうことですか?」
小「発行日とか、毎月!とか、あんまりこだわらないようにしてたり。やっぱりこういうのって、続けることが一番大事じゃないですか。絶対この日ってやってしまうと、しんどくなるんですよ、僕の場合。
まぁ一人なんで、怒られることもないしね。
お客様もいつくるか・・なんてわからないでしょ(笑)
出し続けるっていうのは決めてるんですけど、細かいことは気にしない!
先月は、袋詰めまでやったんだけど、疲れてシール貼りとかそのままにしちゃっていたんですよ。で、今月に合併号!なんつって、2か月分送っちゃおうと思っています。」
(小島満夫さんのブログはコチラ)
続けるのにはワケがある。情報誌、効果を実感するのは?
山「それでも続けるってことは、効果を感じているんですよね。実際、発行を初めていつぐらいからその実感を?」
小「いつかなぁ・・・いやっ反響なんて、中々なかったですよ。初めのころは本当にやめようかと思っていましたから。でもどれくらいだろ、半年くらいかなぁ。FAXがね、来たんですよ。ポーンって。小さなリフォームの工事だったんだけどね。その時、おぉ情報誌も読んでもらえてるんだって思ったんです。」
山「へ~半年。FAXですか。それが、情報誌だってわかったのはなぜなんですか?」
小「あぁ、それそれ(指をさす)。アンケート。情報誌には必ず入れているんですけど、そのアンケート用紙で依頼が来たんですよ。」
山「お~!それで。」
小「そう。こんなんでも見てるんだなぁって。そのとき、続けてればいいことあるかもしれないなぁと思いましたね。やっぱり、反響があるってのは、気持ち的にも大事ですよね。
そっからは、「まぁ紙代(費用)なんてしれてるし、自分が頑張ればいいだけの話か」なんて、割り切ってやってますよ。
お客様やOB客との繋がりを保つためには必要なことですから。」
山「ちなみに、掲載のネタとかはどうされているんですか?」
小「毎日がネタ探しですね。最近は、営業の仕事がメインで、現場は他に任せていることも多いので、張りついていることは少ないんですけど、「ネタ探しに現場行くかぁ」なんていう感じでいきますからね。」
山「そうなんですか!カメラも持ち歩いて?」
小「もちろん。でも、そういう目線でものを見ると、また別の角度から現場が見れて、結果的にはよいことだと思ってます。で、暇な時とか、事務所にいるときとかに、先にブワ~~~っと書いちゃうんですよ。ブログでも情報誌でもなんでも。で、小出しにしていくんです。逆にそうしないとしんどいですから。」
ブログのマメな更新の目的は? 受注戦略の肝。
山「ブログもほぼ毎日更新されてますもんね。」
小「結果的にアクセス数も増えているし、SEO対策にもなっているしね(日々の更新の成果!? 実は、神奈川 工務店で検索すると、小島勝工務店が出てくるほどのサイトに)。」
山「へぇ~。ほんと、外部のリンクとか、ツイッターとかfacebookなどもマメですよね。」
小「あぁ・・全ては、ホームページを見てもらうためなんですよ。もう、わからないじゃないですか。何がHITするかなんて。
でも、ウチの戦略としては、とにかくまず、ホームページを見てほしい。これなんです。
うちにはしっかりとした肝(ホームページ)があるから、なんとかそれを見てもらおうということなんですよ。岡田さんのアドバイスもあって、そのためにはどうしたらって自分なりに工夫しています。
もう、チラシなんて効果ないじゃないですか。
でも結果的に、受注が取れた人はみんなホームページを読んで魅力を感じたと言ってくれるんですよ。」
山「せっかくの武器をどう使うか、いわゆる戦略ですね。」
小「そう戦略。小冊子や名刺も・・・ですよね。」
受注戦略を立てないと意味がない!? オリジナルツール制作について
山「そうですよね。初期ホームページをつくる際は小冊子を。リニューアルの際は名刺をと、オリジナルのツールの制作には積極的な印象があるのですが、そこに関しては意図が?」
小「もちろん。一人というのもありますけど、自分だけでは伝えきれない部分を補ってくれるツールは必要だよね。特に、突然パッと来られたときとか、現場でどうしても手が離せないときとか・・・中々じっくり話せない時とか特に。
でもね、これは作るだけではだめなんですよね。」
販促ツール制作には必ず必要な戦略(画像は、ツタエル流!戦略階段)
山「どういうことですか?」
小「ツールはつくっても使う場面まで想定できてないと眠っちゃうんですよ。ね、岡田社長。イノスのやつとか、意外にね、用意だけしてあるんだけど全っ然使わないツールとかあるもんなんだよね。」
岡そうですね。
小「これは、ホームページをつくる際(ツール制作の際)には、岡田社長に必ずアドバイスもらう部分ですよね。」
岡そう、会社案内、パンフレットありきではなくて。今、受注を取るために何が必要かが大事。会社案内、パンフレットから始まる話だとしても、それを、何を目的に、いつ・誰が・誰に・どうやって使うのか。そのパターンを想定しておかないとね。
山「想定外の使い方はないということですか?」
小いやいや、それはそれでいいんだよ。欲しい!って言われることもあるし。でも、少なくともメインの使い方というか、そういうものは決まってないとね。っていう意味。」
だからね、前回のホームページをリニューアルもね。
山「そっか。ホームページ見てもらった後のツールはまずはあるから、逆に、一回会った人に、またホームページを見てもらうためのツールをって、名刺を制作されたんですよね。」
小「そうです。そう、だったかな・・(笑)確か。最近はまた、ウチの家づくりことが説明できる、パンフレットを用意しなきゃなぁなんて思っているんですよ。」
山「なるほど、それはなぜ?」
小「ちょっと興味を持った人がいるでしょ。時間が合えばすぐにでも、会いたいんだけど、現場にいたりなんかすると中々ね。時間たっちゃったりすると逃げちゃうでしょ。そのために、会社の案内というか魅力が伝わるものをね。まぁ、実際会っている時にも、説明に使えたりすると尚いいかなぁって。」
全ての肝は、社長が家づくりをするお客様に対する伝えたい想い。
山「なるほど。そうやって、こういうときにはこう!って決まっているのは強いですね。」
小そうですね。わかりやすい。」
岡「でも、やっぱり小島社長はホームページっていう、まずここにっていう武器があるのは強いですよ。」
山「ホームページが魅力的っていうのは、やっぱり社長の想いがしっかりしているからですよね。小島社長の家づくりへの想い。その想い、改めて聞かせてくださいよ、記事用に。」
小そうですね。やっぱり、家をつくるっていうことですよね。今の人は、家を買うっていう感覚の人が多い。でも、私から言わせると家はつくるものなんです。やっぱり昔から手刻みの家づくりをやっているわけですし、そうやって、木の家が徐々に徐々に一つ一つ積み上げるように出来た家には味がでますよね。思い出ができます。家を建てるなら、そういう楽しさも含めて感じてもらいたいんですよ。
そういう概念が、少しでも社会に、世の中に広がっていったらいいですよね。
それが究極の目標かなぁ。」
山「いずれは、そういう概念がない人にも魅力を感じてもらえるように・・・と?」
小「そうですね。今は、そもそもそういう意識のある人。そういうことに魅力をうっすらでも感じている人、変えられる人がターゲットですけど。」
▲小島勝工務店ホームページより 社長の挨拶「小島満男の決意」
※実際のホームページへは、画像をクリックするかコチラをクリック
これからも、想いをお客様に伝えるために
山「最後に小島勝工務店の今後の目標について教えてください。」
小「数字?あっ、何でも?まぁ数字は変わらないですよ。年間3~5棟くらいできたらなぁって。ターゲットも変わりません。ただ、ターゲットもその望みだったり変化している部分は対応しなきゃって思っていますよ。」
最近は、大型リフォームとかね。希望が多いですよね。もう建て替えちゃえよ!って言いたくなる家もあるんだけど、老後の心配などもあるんでしょうね・・・。
ちょっと面白いなぁって思っているのが、築30年くらいの2階建てを平屋にするリフォームとかね。」
岡「減築リフォームですか?」
小「そうです。子供とかいなくなったらいらないっしょ。階段だって登るのしんどいわけだし。そういう部分でも、新しくページを用意しようかなぁなんて思ってたりするんですよ。」
山「いいですねぇ。これからもドンドン手を打っていくってことですね。」
小そうですね。お客様にもしっかり動きを見せていかないと。つながりですよね。まぁ出来る限りってことで、やっていきますよ。今後ともよろしくお願いしますね。」
===想いを伝えて集客受注するために。販促ツールには戦略が不可欠!
せっかく費用をかけてつくるツールも「どう使うか」の戦略がなければ受注には繋がりません。小島勝工務店様をはじめ、販促ツールを有効活用出来ている会社は、ツールの内容だけでなく、「どう活かすか」の戦略を「実際に使う営業マンにどう浸透させるか」などの点について、入念に考えられているという実感があります。
・目の前に積まれている販促ツールは有効活用されていますか?
・今、作ろうとしているツールは、何を目的にいつ・誰が・どうやって使うのですか?