打席に立つ!

森本稀哲さんの本→『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』をさっそく読みました。
幼少時~プロ野球生活の中での思いを赤裸々に書いていて、おもしろかったです。

 

 


 

プロ入り1~2年目の僕の場合、年俸が450万円だったので、約7万円が、ベンチ入りするたびに年俸に上乗せされていきます。1軍に呼ばれるたびに、臨時収入が入る喜びを感じていました。
 僕の場合、高いレベルで厳しいレギュラー争いをするよりも、差額をもらいながら、ほどほどにやっていたほうがよっぽどラクで楽しいと思えたのです。
(中略)
 そんな日々を逃したくないから、どうしたら1軍で生き残れるかを考えるようになり、いつしか目標がずれていきました。あえて苦行の道を進むより、いかにこの楽しい場所にとどまれるかを考えてしまったんです。そのために、めっちゃ声を出してアピールしてましたし・・・。

 そんな僕の脳裏にあったのは、「打てないから、打席に立ちたくない」でした。
いったん1軍に呼ばれると、目立ったミスさえしなければ、すぐに2軍へ戻されることはありません。僕は、ボロを出さないように、プレーに集中していました。
 そして僕は、ついにボロを出さない方法を見つけました。試合に出なければいいんです。そうすれば、監督にミスを見られることもありませんから、1軍にいられる期間が延びます。
(中略)

そんな姑息なやり方で、1軍で過ごす時間を引き延ばそうとしてみても、ケガで1軍からはずれていたレギュラーが復帰してきたり、監督が試したいと思うような勢いのある2軍選手が現れれば、僕はまた2軍に落とされます。
(中略)

なぜ、恥を忍んでこういうことを言うかというと、僕みたいなタイプの若手は少なからず、どの球団にもいます。世の中の人の多くが「安定」や「安寧」を求めるように、僕もそれらを求めたのです。ときどき上から呼ばれて1軍のステータスに酔いしれ、年俸が低くても差額が入ってくることで満足する、その気持ちはよくわかります。

 でも、満足したらそこまでです。

「ほんのちょっと」「あと少し」をもう一度、自分に言い聞かせました。僕は、再びレギュラーを目指そうと思うようになりました。優勝する前年のシーズン前、24歳のときです。
「ミスを見られたくないから、できれば打席に立ちたくない」と思っていたために、僕は向上心やチャレンジ精神を忘れていたのです


会社でこのスタンスで日々送る人、人生を過ごす人、・・・いますね。
なんてもったいない仕事の仕方、生き方をしているんだろう、ちょっと寂しくなります。

こういう人って、首をすくめてなるべく目立たないようにしながら、だいたいつまらなそうにしています。
そして、つまらないのを「上司が悪い、会社が悪い、今の社会が悪い、自分だけじゃなくて他の人たちだって」と他人のせいにしているか、「どうせ自分なんて」と卑屈にしているかです。

もったいないですね。

自分の仕事を通じて目の前の人に役立つのは、あるいは、今、目の前にある課題を解決するのは、「自分がエースで4番!」。
正々堂々レギュラー獲り宣言し、実行、努力。やり遂げられれば最高! 仮にうまくいかなくてもやることをやりきったら後悔は少ないはず。

ハナから脇役の1軍半の控え選手を目指すのでなく、自らが主役のレギュラー選手をやるつもりの気概、主体性、大事です。

チャレンジする人がトクをする
チャレンジする会社が活躍できる
微力ながら、そんな人、会社の輪を広げたいと思っています  岡田徹

 

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