→『ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。』(湯澤 剛氏著/PHP研究所)
できれば追い込まれたくないけど、追い込まれることも悪くないな、と思えるけど、やっぱりここまでは追い込まれたくないな~。―という感想です。
ここまで壮絶な環境の中でも、「なんとかなるんだ」という実証を示していただけると、勇気を持てます。
自分なんて、甘い甘い!
いつものように、Amazonのレビュー評価の高さで、衝動買い。
本書は、ビジネスノンフィクションです。著者の湯澤氏は、人も羨むようなエリートサラリーマンだったにもかかわらず、父の急逝により、家業と莫大な借金を受け継ぐことになりました。その額、40億円。継いだ企業は「会社」と呼べないほどの崩壊状態、家にも督促の電話がかかってくる日々でした。やっと調子が上向いたと思えば、店の火事、ベテラン社員の死、食中毒事件と、驚くべき不運が続きます。しかし湯澤氏は、何度倒れても立ち上がるボクサーのようにKO寸前でよみがえり、ついには「80年かかる」といわれた返済を目前に控えるまでにこぎつけました。人生、いつ、何があるかわかりません。今どんなに“のっている”人も、今どれほど追い詰められている人も、湯澤さんの数奇な体験に胸が熱くなり、勇気をもらうことでしょう。机上の空論や飾り言葉ではない、真の「経営論」「人生論」がここにあります。
現代の日本に住んでる限り、今日食べるものがなくて生きるか死ぬかという状況になることはほとんどありません。自殺(年間25,000人)はほぼニュースになりませんが、餓死はほぼニュースになるくらいです。
※ウィキペディアより
2011年人口動態統計によると「食糧の不足」の死亡者数は45人である。
ツタエルスタッフにはよく話す『フィリピンのごみ山の女の子』の話。
数年前、土曜の午後にやっていた真面目なドキュメンタリー番組をたまたま何気なく観ました。
ごみ処理場のごみ山で、毎日空き缶を拾って100円程度の日銭を稼ぐ幼い女の子。
来る日も来る日も休むことがありません。
「今日はがんばったけど、100円稼げなかったー!」で終わることはありません。
稼げなければ、他の子が拾った缶を盗んででも100円を稼ごうとします。
なぜならば、
100円稼げなければ、病気のお母さんの今日の薬が買えないからです。
家でお腹を空かせて待つ弟、妹に食べ物を買って帰れないからです。
稼ごうが稼ぐまいが、ちゃんと給料日に給料が払われている日本のサラリーマンとはわけが違います。
「嫌なことがあったら無理しなくていいのよ。お家に帰っておいで、ごはん作って待ってるからネ」 甘やかされて育つ日本の子どもと根性レベルが違います。
追い込まれたくないけど、追い込まれることも大事。
ハングリーであること、めちゃくちゃ大事。
できれば追い込まれずに、やることやれればベスト。
そのためには、プライドを高いレベルで持てるかどうか、
「こんなことではいけない!」自分で自分を奮い立たせることができるかどうか。
ギリギリの危機的状況にあらずとも危機感を持つ。
「一日一日、この瞬間この瞬間、やることやったか?」その矜持。
著者の「とにかく逃げない姿勢」「とにかく困難に立ち向かう姿勢」、素晴らしいです。頭が下がります。
素直に見習い、目指します。