初めてのお客さま

久しぶりにちょっと寄ってみよう!
宇都宮の材木店さん、株式会社共栄さんにアポなしでお邪魔してきました。

こちら会長の林信利さん、私が社会人として、営業マンとしてデビューして一番最初に出会い、その後大変お世話になった方なんです。

当時、私、新入社員の22歳。
「建築業界???」
「材木店???}
「営業の仕事???」
「宇都宮???」「栃木弁???」

右も左も、本当に何もわからない状態。

入社して最初2ヶ月ほど電話取りをしながら受発注業務をしていました。

その時、こちらの林信利さん(当時、常務)はお電話いただく常連さん。

電話で話すだけの“常務”は、「怖い人」でした。
「もっと元気よく出ろ」「保留で待たせすぎ」と言われていたかどうか忘れましたが、普通に発注の電話だけではなかったと思います。
新人を鍛えていただいていたんでしょうね。
ドスのきいた低い声で話されるので、学校出たてのアンちゃんにとっては「怖い人」、今まで出会ったことのない「おっかない人」でした。

少し慣れてきて、少しだけ会話ができるようになった頃。

林常務の発注をいつものように受けたのですが、私がその発注入力を間違えてしまったのです。
特注のオーダー商品で、納入してからサイズの間違いが発覚。
すぐに再手配したものの、納期がかかります。

そんな最中に、私が予定通り営業デビュー。

上司に担当代理店として一番最初に連れて行かれたのが、なんと!この共栄さん。

ただでさえ怖い常務がいて、しかも発注を間違えてトラブっている真っ只中。

ひょえーーー。

と思いましたが、意を決してご挨拶。

その時、常務から言われた一言。
「最初から印象悪いな!」

ひょえーーー。

それでも“一杯”行くお誘いをいただき、
上司も「ぜひ!」「できれば今晩でも」
しかも「岡田一人で行かせます!」

ひょえーーー。

その後、一通りお客様を回った後、再度常務のもとに戻り、常務行きつけの飲み屋さんへ。

たぶん緊張しまくり、恐縮しまくりだったと思います。

しばらくして酔いが回ってこられたころ、話していただいた一言で救われました。
仕事をしていくうえで、未だに指針となっている一言です。

あなたは売る側で、僕は買う側。
しかも、あなたは今仕事で迷惑をかけている側で、僕は迷惑をかけられている側。
あなたは年下の新入社員、僕はずっと年上の40歳過ぎの常務さん。
どう考えても、僕の立場のほうが有利な状態。
でも、関係ないんだ!
商売での付き合いは対等なんだ!
これから長い付き合いになる。
あなたに対して言うべきは言う。
だからあなたも言うべきを遠慮せずに言ってきなさい。

ドスがききつつ酔っ払って呂律(ろれつ)の回らない感じでお話しいただきました。
この頃メチャメチャ酒が弱かった私が、酒のメチャメチャ強い常務にお付き合いさせていただきクラクラしていましたが、これだけはハッキリ覚えています。

信利さんに後にこの話をしても、「全然覚えていない」とおっしゃいます。

その後、私たち夫婦の披露宴で乾杯の挨拶をしていただいたり、
私が東京に転勤後、しばらくお付き合いが遠ざかっていたにもかかわらず、起業してすぐの頃、コンサルのご依頼をいただき2年間メシを食わせていただいたり・・・。

本当に長い付き合いで、お世話になりっぱなしの方です。

ヒナ鳥が産まれてすぐに出会った動くものを親と思うように、
私にとっても共栄さんを最初に担当させていただき、信利さんの「筋を通す」仕事のスタンスを大いに学ばせていただき、少なからず影響を受けたと思います。


現在、共栄の社長(通称:ノリちゃん)さん、
「岡田さんとどれくらいの付き合いでしょうねー?」

なんだか取り出してきてゴソゴソ。

名刺を整理したファイル。
「あっ、あった!」

もの持ちめちゃめちゃイイですねー。
自分ででもこんなの持ってません。松下電工・宇都宮勤務時代の名刺。

これからもまだまだ末永くお付き合いくださいませ。

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